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【2026年最新】韓国映画がベトナムで撮影される3つの理由|コンテンツ産業の新戦略を徹底解説
2026年5月6日
日本でも人気の韓国コンテンツが今、ベトナムで製作されている。クリットベンチャーズが仕掛ける「現地で作って現地で売る」戦略の全貌。
韓ドラやK-POPが日本の日常に定着して久しいが、今、韓国コンテンツ産業の製作拠点が静かに動き始めている。2025年末、韓国のある投資家が目を通したのは、俳優も監督も韓国人なのに、撮影地と製作費の半分がベトナムという脚本だった。その投資家が下した結論はシンプルだ。「コスト削減ではなく、市場拡張だ」。
クリットベンチャーズとは?今回の投資の全貌
今回の主役はクリットベンチャーズ(Crit Ventures)。韓国のコンテンツ・エンターテインメント分野に特化したアーリーステージのベンチャーキャピタルだ。映画・ドラマIPにとどまらず、関連テクノロジースタートアップにも幅広く投資ポートフォリオを持つ。
今回出資したのは、ベトナム・ホーチミンで企画・制作される韓国語映画2本。ロケーションとスタッフの一部をベトナムから調達する構造だ。単なる合作映画ではなく、東南アジアの現地観客を最初から意識して設計されたコンテンツという点が重要で、「韓国で作って輸出」という従来モデルとは根本的に異なる。
なぜベトナムなのか|コスト・市場・規制の三重メリット
- ①制作コスト40〜55%削減:2023年時点で、ベトナムの映画制作単価は韓国の約40〜55%。同じ予算で規模を大きくできる計算だ。
- ②急成長する現地市場:韓国コンテンツの消費増加率がここ3年で最も高い市場がベトナム。スクリーン数は2020年比で38%増、平均チケット価格は約6,800ウォン(約700円)と韓国の半額だが、18〜34歳の韓流親和層が急速に拡大中だ。韓国コンテンツの東南アジア興行ランキングでは、ベトナム・タイ・インドネシアの順が上位に定着している。
- ③外国映画クオータの回避:現地俳優や現地ロケを一部組み込むことで、ベトナム文化省の外国映画クオータ制限の対象外となる。コスト・流通・規制という三重の課題を一気に解決する構造だ。
OTTが変えた韓国コンテンツ産業の地図
これは個別の投資判断ではなく、産業全体の構造的転換だ。NetflixをはじめとするOTTプラットフォームが東南アジアオリジナルコンテンツを量産し始めたことで、韓国の制作会社は「韓国で作って輸出」というモデルから、「現地で作って現地で売る」戦略へとピボットしつつある。
日本から韓ドラを楽しんでいる私たちにとって馴染み深い「メイド・イン・コリア」の看板が、実は変わりつつある。制作拠点が分散するほど、現地パートナーシップと流通チャネルが競争優位になる時代が来ている。
釜山スタートアップ支援:B.Cubeも同じ文脈で読む
同じ流れで注目したいのが、釜山創業経済振興院が発表したB.Cube 12期の入居企業確定だ。釜山は日韓・東南アジアの海運物流の拠点であると同時に、コンテンツ・観光スタートアップのテストベッドとして急浮上している。
B.Cube入居企業はオフィス空間に加え、釜山市の調達・バイヤーネットワークへの優先アクセス権が付与される。東南アジア輸出を狙う初期スタートアップにとって実質的なレバレッジとなり、日本人起業家が韓国市場進出の足がかりとして活用するケースも増えている(外国籍でも韓国法人設立後に申請可能)。
日本のビジネスパーソンが今すぐ押さえるべき3点
- IPの多拠点化に備える:韓国ブランド製品を日本や東南アジアで流通させているビジネスには、コンテンツIPの権利所在地が複雑になる影響が及ぶ可能性がある。
- 現地法務の事前確認が必須:東南アジア現地制作では著作権法・コンテンツ等級基準が韓国と異なるため、配給段階でブロックされないよう法務確認を怠らないこと。要チェックポイントだ。
- パートナーシップが最大の競争優位:製作拠点の分散が進むほど、現地の信頼できる制作・流通パートナーを持つことが差別化要因になる。日本企業にとっても参入機会がある領域だ。
よくある質問(FAQ)
Q: 日本から韓国株(サムスン電子など)を買う方法は?
A: 楽天証券・SBI証券・マネックス証券など国内主要証券会社の外国株取引サービスを通じて、韓国取引所(KRX)上場のサムスン電子・SK hynix・現代自動車株を購入できます。韓国株は最低1株から買えるケースが多く、ウォン建て取引になるため為替変動リスクも考慮が必要です。2024〜2025年にかけてのウォン安局面では、円換算での割安感から日本人個人投資家の注目度が高まっています。コンテンツ・エンタメ関連では上場ゲーム会社のクラフトン(KRAFTON)なども選択肢の一つです。
Q: 韓国のスタートアップ・ユニコーン動向は?コンテンツ分野で注目の企業は?
A: 2025年時点で韓国のユニコーン企業数はアジア有数の水準に達しています。コンテンツ・エンタメ分野ではカカオエンタテインメント・ワイジーエンターテインメント・スマイルゲートなどが代表格。最近は「K-コンテンツ×AI」領域のスタートアップへの資金流入が活発で、クリットベンチャーズのような専門VCが先行投資を進めています。日本のVC・事業会社が韓国コンテンツスタートアップとのJVや出資を検討するケースも増加中で、釜山B.Cubeのような公的支援プログラムが入口として使われています。
Q: 日韓ビジネス商習慣の違いで気をつけるべき点は?
A: 大きく3点あります。①意思決定スピード:韓国企業は「빨리빨리(パルリパルリ=早く早く)」文化で決断が速い反面、方針が覆ることも多い。②会食(ホシク)文化:会社の飲み会への参加圧力が強く、二次会・三次会まで続くのが一般的。初回面談後の食事は信頼構築の重要な場と心得ること。③関係性優先:公式契約と同程度かそれ以上に担当者との人間関係が重視される傾向があり、担当者が交代すると関係を一から再構築する必要がある場合もあります。
Q: ウォン安は日本の旅行者や消費者にどんな影響がある?
A: 2024〜2025年にかけてウォン安が続き、日本円でのソウル旅行はコスパが高い時期が続いています。現地でのショッピング・グルメ・コスメ購入において円換算での割安感は顕著で、女子旅・弾丸旅行のタイミングとして今は狙い目といえるでしょう。ただし、韓国からの輸入品は輸入コスト上昇分が価格に転嫁される場合があるため、日本国内での韓国製品がそのまま安くなるとは限りません。韓国コンテンツのOTT配信料金は基本的に円建て定額制のため、為替の影響を受けにくい点も覚えておくと便利です。
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