Image: Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 via Wikimedia Commons
【2026】ブルネイが韓国に観光事務所を開設|「ビジット・ブルネイ2027」の狙いと東南アジア旅行の新潮流
2026年6月2日
ブルネイ観光庁が韓国市場に本格参入。2027年スルタン即位60周年に合わせた国家キャンペーンの全容と、次の東南アジア旅行先としての実力を徹底解説。
タイ、ベトナム、バリ——東南アジアの定番ルートに少し飽きてきた旅行者の間で、いま静かに名前が挙がり始めている国がある。ボルネオ島北部に位置する小さなイスラム王国、ブルネイだ。2026年5月、ブルネイ観光庁は韓国ソウルに公式観光事務所を開設し、東アジア市場への本格的なマーケティングに乗り出した。この動きの背景には、2027年に控えるハサナル・ボルキア国王の即位60周年「ダイヤモンド・ジュビリー」を記念した国家観光キャンペーン「ビジット・ブルネイ2027」がある。
なぜ今、ブルネイが韓国に観光事務所を開くのか
ブルネイ観光庁は韓国事務所の運営パートナーとしてTAMS社を選定し、韓国の旅行者向けにNAVERなど現地プラットフォームでのコンテンツ展開を進める方針だ。従来の東南アジア観光庁が行ってきたテレビCMや旅行博出展中心のプロモーションとは一線を画す、ローカライズ重視のアプローチといえる。
ブルネイは2025年に海外観光客76万3,000人を記録し、前年比13%の成長を達成した。決して大きな数字ではないが、人口45万人の小国としては着実な伸びだ。この勢いを東アジアの巨大市場に接続しようという戦略は、タイミングとしては理にかなっている。
ブルネイへのアクセスと入国情報【2026年最新】
現在、ロイヤルブルネイ航空が韓国・仁川国際空港からブルネイの首都バンダルスリブガワンまで週2便の直行便を運航している(所要時間約5時間30分)。韓国国籍者は30日間のビザなし入国が可能だ。
日本からの場合、直行便は現在運航されていないため、クアラルンプールやシンガポール経由が一般的なルートとなる。シンガポール経由であれば乗り継ぎ時間を含めて約8〜10時間程度だ。
入国時の注意点:ブルネイ入国にはE-arrival Card(電子到着カード)とBruHealth(健康申告書)の事前オンライン登録が必要。空港でも記入できるが、事前に済ませておくと入国審査がスムーズになる。
ブルネイならではの3つの魅力——「東南アジアリゾート」とは別物
- ボルネオの熱帯雨林:世界最古級の原生林が広がるウル・テンブロン国立公園。キャノピーウォークから見渡す緑の海は、バリやプーケットでは味わえないスケール感がある。
- イスラム建築の黄金モスク:オマール・アリ・サイフディン・モスクやジャメ・アスル・ハサナル・ボルキア・モスクは、中東に行かずとも圧倒的なイスラム建築美を体感できるスポット。
- 水上集落カンポン・アイェール:約3万人が暮らす世界最大級の水上集落。日本でいえば「水の都」のような存在だが、実際に生活が営まれている点で観光地とは異なるリアリティがある。
つまりブルネイは、ビーチリゾートやバックパッカー文化ではなく、「文明探訪」というカードを切れる数少ない東南アジアの国だ。
通貨の意外な便利さ——シンガポールドルがそのまま使える
ブルネイドルとシンガポールドルは1対1の等価で相互流通している。つまり、日本でシンガポールドルに両替しておけば、ブルネイでそのまま使える。1シンガポールドル(=1ブルネイドル)は約115円前後(2026年6月時点)。シンガポール経由で渡航する場合、両替の手間が一度で済むのは大きなメリットだ。
知っておくべき注意点——ブルネイは「旅行者フレンドリー」ではない
魅力がある一方で、ブルネイには日本人旅行者が戸惑うポイントも少なくない。
- 公共の場での飲酒は全面禁止:イスラム法に基づき、レストランやバーでのアルコール提供はない。税関申告をすれば1人あたり酒類2本+缶ビール12本まで持ち込み可能だが、飲めるのはホテルの客室など私的空間のみ。日本の「とりあえずビール」文化とは正反対だ。
- 公共交通機関がほぼない:路線バスはあるものの本数が極端に少なく、実質的にタクシーかレンタカーが移動手段となる。Grabは使えるエリアが限定的。
- 年間を通じて高温多湿:平均気温は30℃以上。日本の真夏がそのまま続くイメージで、屋外観光には体力と暑さ対策が必須。
- 週2便の直行便(韓国発):毎日便が飛ぶバンコクやダナンと比べると、スケジュールの柔軟性には制約がある。
観光事務所の開設は実際に効果があるのか
ここは冷静に見る必要がある。サウジアラビア観光庁もウズベキスタン観光庁も韓国に事務所を構えたが、一般層の認知度向上は緩やかなペースにとどまっている。マーケティングチャネルの確保と、実際の予約・渡航に至るまでのギャップは想像以上に大きい。
ただし、この動き自体が示すものは結果の成否とは別の話だ。タイ・ベトナムを中心とした「コスパ重視の東南アジア旅行」から、小さくても独自の文化的アイデンティティを持つ国々が自らマーケティングに乗り出す時代への転換——ブルネイの韓国事務所開設は、その象徴的な一歩といえる。
「ビジット・ブルネイ2027」は2026年下半期からプレローンチイベントやインフラ整備が始まっており、2027年の本番に向けて動きが加速する見込みだ。ブルネイが「インスタ映えする数枚の写真」ではなく、「体験する価値のある文化」として自国をポジショニングできるかどうか。事務所の開設はあくまでスタートラインに過ぎない。
よくある質問
Q: 日本からブルネイへはどうやって行けますか?
A: 2026年6月現在、日本からの直行便はありません。一般的なルートはシンガポール経由(乗り継ぎ含め約8〜10時間)またはクアラルンプール経由です。韓国・仁川からはロイヤルブルネイ航空の直行便が週2便運航しています(約5時間30分)。
Q: ブルネイではクレジットカードはどこまで使えますか?
A: 大型ホテルやショッピングモールではVisa・Mastercardが使えますが、ローカルの飲食店や水上集落の商店では現金のみの場合が多いです。ブルネイドルとシンガポールドルは1対1で流通しているため、シンガポールドルの現金を持っていくと便利です。
Q: お酒が飲めないって本当ですか?
A: 公共の場での飲酒・アルコール販売は法律で禁止されています。ただし、非イスラム教徒の外国人は税関申告をすれば酒類2本+缶ビール12本まで持ち込みが可能で、ホテルの客室など私的空間では飲むことができます。レストランやバーでの提供は一切ありません。
Q: ブルネイの気候は?服装はどうすればいいですか?
A: 年間を通じて平均気温30℃以上・湿度80%前後の高温多湿です。日本の8月がそのまま続くイメージで、通気性のよい服装と日焼け止めは必須です。ただし、モスク訪問時は肌の露出を控えた服装(長袖・長ズボン、女性はスカーフ)が求められます。
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